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破綻した神キリスト

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  • サイズ A5判/ページ数 333,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784760133338
  • NDC分類 190.4
  • Cコード C0016

内容説明

聖書研究の世界的権威が、神への信仰を捨て去るに至った思索と苦悩をつづる、衝撃のノンフィクション。

目次

第1章 人の苦しみと信仰の危機
第2章 怒れる神の手の上の罪人たち―苦しみに対する古典的見解
第3章 さらなる罪にさらなる怒り―古典的見解の支配
第4章 罪の帰結
第5章 大いなる善の神秘―救済のための苦難
第6章 苦しみの意味は―『ヨブ記』と『コヘレトの言葉』
第7章 最後に神は勝つ―ユダヤ=キリスト教の黙示思想
第8章 黙示思想の発展―悪に対する神の最終勝利
第9章 人はなぜ苦しむのか―結論

著者等紹介

アーマン,バート・D.[アーマン,バートD.][Ehrman,Bart D.]
ノース・キャロライナ大学教授兼宗教学部長。新約聖書・原始キリスト教史・イエス伝等の研究の第一人者

松田和也[マツダカズヤ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

52
新型コロナ騒動を目の当たりにして、神はどうして私たちにこんな苦難を与えるのかを再考したくなった。筋金入りの福音派聖書学者だったのに、キリスト教を捨て不可知論者になった著者に、そのヒントを求める。この本では、聖書を丁寧に読み解きながら、ライプニッツの啓蒙思想からパウロの黙示思想に至るまで、「神義論」の根拠となる各説が悉く論破されてゆく。その先にはヨブやコヘレトのような空しさ・儚さが拡がるが、だから「神に私たちの苦難を救う能力はないが、苦しみに対処する強さを与えてくれる」というクシュナー師の見解が新鮮に響く。2020/08/10

松本直哉

27
人間の苦しみと悪について真摯に議論していることはわかるのだが、居心地が悪いのはなぜだろう。本当に苦しんでいる人は言葉を奪われている。苦しみについて語れるのは、距離を置いて見られる部外者だけで、結局は他人事としてしか語れない。快適な部屋でそれを読む我々にとってもそうだ。聖書に現れる神義論を一つ一つ論破した後で、コヘレトの書の「すべては空」にたどりつくのはいいが、そこから「だからこそ生を楽しみ、肯定すべき」という結論は飛躍しすぎてついてゆけない。人間中心主義から抜け出せない西欧人の限界を見る。2023/12/05

Yukicks

4
まっとうな神義論の本。改めて、自分は不可知論者だと再認識した。2012/01/17

チェコ

3
たどり着いた結論が仏教と似てて面白かった。2016/05/11

nata

2
他の著書同様、邦訳の書名があまりに扇情的。それはともかく、この世に悪や悲劇が存在する理由を聖書ではどのように説明しているか、そしてそれに対して(熱心な信者から不可知論者へ転向した)著者が考える疑問点、という形になっている。聖書の答えは(他の問題に対するのと同じく)一つではなく、各書の成立した時代背景や著者の思想によって複数ある。聖書を読む新たな視点を与えてくれる点に加えて、悪の存在を説明する論理はどの宗派の人にとっても参考になるだろう。『コヘレトの書』がお気に入りなのが著者と同じでちょっとうれしかった。2017/09/05

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